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約10年間、引きこもり状態である息子(42才)

子どもの暴力で苦しむ親からのSOSを受け、栃木県の自宅を訪問。約10年間、引きこもり状態である息子(42才)は、障害を抱える親に対して罵詈雑言を浴びせるなど日常的な支配を続けている。県保健センター、市福祉課、警察も対応に動いたが、門前払いされ会話もできない状態。

いったい、これまで親子に何があったのか?

我々が現場に到着した際も近所まで聞こえるほどの大声で親を罵倒していた。しかし、驚くほど僕の話を冷静に聞き入れ、数分で落ち着きを取り戻した。

彼は、専門学校卒業後、職を転々としながらも12年間まじめに働いていた。しかし、これまで「友達や上司、家族とさえも心が通じ合えなかった」と涙ながら心境を語っていた。

学校ではいじめ、職場ではパワハラ、親に相談しても頭ごなしに責め立てられる。そんな日々のストレスが彼の心をボロボロにしてしまったのだと感じた。

僕は、いつも思うことがある「誰しも立ち直るきっかけを探している」と…
でも、何度も失敗してしまう自分に嫌悪感を抱き、もがき苦しみ、いつしか打開策のない答えにしがみついてしまう。

引きこもり状態も家庭内暴力も彼らの「言葉」であり「表現」だと思う。それを受け止め、理解するだけで一歩進む勇気を与えることができる。

たくさんの想いを吐き出した彼は、最後に言った。

「俺、廣岡さんのこと知ってるよ!テレビで見てた。いつか自分もこんなきっかけが欲しいと思ってたけど現実になっちゃっいました(笑) こんな自分でもやり直せますか?」

また一人、新たな一歩を踏み出しました!